赤坂のメンタルクリニックに行ったついでに、久し振りに独身美人OLに自宅居酒屋で残った惣菜を差し入れる。
昼時で凄い人出の、赤坂見付と神谷町を、徒歩で往復して感じるのは、飲食店の閉店が目立つことと、店の前での弁当販売だ。ワンコインどころか、400円、380円と言う値段も目立ち、そうした店に客が群がっている。中での800円とかのランチは厳しくなり、弁当を販売すると、益々中に入って来なくなる。分かっちゃいるけど、止められない悪循環。厳しいなあ。
弁当を売らない店も、手当たり次第路上に看板を出して、少しでもアピールを図っている。昔赤坂で働いていた時に、ランチタイムに行っても、いつも入れなかった店が潰れているのを見るのは辛いなあ。
新宿ピカデリーで、クリント・イーストウッド監督『インビクタス 負けざる者たち(57)』
1994年、早朝と言うより夜中、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)がベッドから起き上がる。マンデラの家の前には、黒人のSPが二人待っている。警護班責任者のジェイソン(トニー・キゴロギ)たちだ。門が開いてジャージ姿のマンデラが出て来るのを見て「時間通りだ、狙われやすいな」「お早う!」「マディバ!お早うございます」早朝散歩するマンデラの警護に来たのだ。マディバとは、マンデラの氏族の名前だが、黒人たちは、敬愛を込めてそう読んでいた。一緒に深夜の誰もいない街を歩く。バンが後ろから近付いて来る。SPの二人に緊張感が高まる。少し前に、行く手を遮るようにバンが停まる。売店に新聞を届けに来たのだ。苦笑いするマンデラとSP。「何て書いてある?」とマンデラ。一面の見出しには、マンデラ大統領就任するも、前途多難とある。
マンデラが大統領官邸に向かう。今日が就任日だ(?)。官邸の大統領執務室にマンデラが歩いていると、前大統領に仕えていた白人の職員たちが荷物を纏めている。既に手回しよく無人となっている机もあるようだ。マンデラは秘書のブレンダに全職員を集めてくれと頼む。自分たち白人職員のクビを宣告するのだと集まった職員たちに、もし良かったら今までと同じように国民のために働いてくれて欲しい。過去は過去だと言う言葉は、職員たちの心を打った。
大統領官邸の警護室に、4人の白人のSPがやって来る。ジェイソンは「俺たちを逮捕しに来たのか!?」と色めき立つが、白人たちは大統領警護班に入れと命じられたのだと、書類を出す。こんな書類誰がサインしやがったんだとジェイソンが奪い取ると、ネルソン・マンデラと書いてある。執務室に飛び込んで、俺たちを捕まえ殺した連中を警護班に入れるなんてきちがいざただといきり立つジェイソンに、「警護班の増員要請をしただろ」と笑い、「彼らはSASで訓練を受けたスペシャリストであり、我々は、今こそ白人に対して命を賭けてでも、復讐ではなく、赦しを示さなければならないのだ」と諭した。
1995年にラグビーのワールドカップが南アフリカで開催されることが決まっていた。しかし、アパルトヘイトに対する制裁処置として、長い間国際試合を許されなかった南アフリカのナショナルチームのスプリングボクスは、かってNZのオールブラックスと双璧の実力を持つと称された栄光は昔日のものとなっていた。今日も、イングランドのチームと対戦をするが完敗だ。観客席の白人たちは、アパルトヘイト時代の国旗をうちふるい、少数の黒人の観客は、敵方のイングランドを応援する。黒人たちにとって、スプリングボクスの緑と金のユニフォームはアパルトヘイトの象徴でもあったのだ。事実、新政権下の国家スポーツ協議会は、ワールドカップに参戦するナショナルチームのチーム名とエンブレム、ユニフォームを一掃する決議をした。しかし、白人たちとの融和を推し進めるためには、彼らの精神的な誇りでもあるスプリングボクスを葬り去ることは、マイナスだと考えたマンディラは止める側近たちを押し切って、評議会が開かれているエルステルスに向かう。復讐ではなく赦せと説くマンデラの主張は、小差だったが認められた。
マンデラは、国内だけでなく、海外からの融資を求め、NY国連本部を始め、日本など各国を外遊した。そのニュースを家族とテレビで見ている、スプリングボクスの主将フランソワ・
ピエール(マット・デイモン)の携帯が鳴る。それは、2週間後に官邸でお茶を誘うマンデラ大統領からだった。当日、妻のネリーンが運転する車で、大統領官邸に向かったフランソワに、自ら紅茶を注ぎ、4700万の南アフリカ全国民の代表として闘ってくれるよう話すマンデラ。フランソワにとって、今まで出会ったことのない大きな人物であるマンデラは心を打った。
ワールドカップが近付く。初戦は優勝候補の一角オーストラリア。国内外誰も、スプリングボクスの勝利を予想するものはいなかった。マンデラとフランソワを除いては・・・。更に激しいトレーニングで疲労困憊しているチームに、黒人居住区の子供たちにラグビーを教えるよう要請するマンデラ。チーム内では反発するものが多かった。しかし、現実に、貧しいながら純粋な眼差しの黒人居住区の子供たちにラグビーを教えるうちに、選手たちの表情は柔らかくなっていく。選手たちの乗ったバスが去るのを手を振り続ける子供たちの後ろには、「一つのチーム、一つの国家」というスローガンが書かれた看板が立っている。
勿論、アパルトヘイト、ネルソン・マンデラの27年間の投獄生活、民族融和を説いたマンデラの人物としての大きさが一つの柱であり、最も重要なテーマなのだが、ラグビー映画として血沸き肉踊ってしまう。荒ぶるなあ(苦笑)。オールブラックスの巨人ジョナ・ロムー(ザック・フュナティ)を、体を張ってタックルし続けるスプリングボクス。学生時代、何度か友人に引っ張り出されたが、とにかく痛いので、直ぐに逃げ出した紳士でも暴れん坊にもなれない自分も、見ている分にはとっても魅了される素晴らしいスポーツ。久し振りに来シーズンは国立に行こうという気に。今年のスポーツ青春映画のNO.1に早くも当確。他にスポーツ映画見るのか(苦笑)。
マット・ディモン凄いな。インフォーマントとこの映画の撮影の間に、どの位あったのだろうか。もっとも、鍛えて筋肉質になってから、その筋肉を贅肉に変化させるのは簡単だろう。逆は根性相当必要だな。
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