今日は3コマの日、午前中忘れていた資料を作り、早めに学校に行き、レジュメコピー。
最後のコマで、映画の話になり、シネマファーストデイであることを思い出し、慌てて渋谷に出て、
渋谷TOEI①で、やっと木村大作監督『劔岳 点の記(375)』
明治39年秋、陸軍参謀本部陸地測量部に、一人の男(浅野忠信)が入っていく。建物の中で一人の男(仲村トオル)と擦れ違う。参謀長室に入る。男は陸地測量部の測量手柴崎芳太郎である。陸軍中佐矢口誠一郎(國村隼)が口を開く「日露戦争に勝利したが、本土防衛のためには、地図上の空白点を直ちに埋めることが必要である。遊びで山登りをしている日本山岳会と言う輩に、帝国陸軍が剣岳初登頂を譲る訳にはいかない」と言うのだ。参謀本部大久保徳昭(笹野高史)も、前人未到の剣岳踏破に執着する。玉井要人(小澤征悦)は、かって古田盛作(役所広司)さえ果たせなかったことでもあり、陸軍には柴崎しかいないが、現実に成功するかどうかは確信はないと言って、矢口たちに一喝される。
柴崎は、下見に出掛けることにし、まずは古田のもとを訪ねる。古田は立山などに測量点を設置し、ただ剣岳の登頂のみ果たせないまま3年前に陸地測量部を辞したのだった。やってきた柴崎を励まし、様々な助言をする。案内人として、いつも測量部が頼る芦峅村の者たちは立山信仰に篤いので、向こう村の大山村の案内人の宇治長次郎を推薦した。
22日掛かるので、23日したら帰ってくると、柴崎は、新妻の葉津よ(宮崎あおい)に伝えて、立山に向かった。富山駅に柴崎が下車すると、長次郎(香川照之)が声を掛けてきた。既に駅留めで送った荷物も自宅に運んであると言う。柴崎は長次郎の誠実な性格に打たれる。また案内された家では、自筆での剣岳のスケッチなどを快く提供された。また長次郎の家内佐和(鈴木砂羽)も、夫の登山案内人としての情熱を暖かく見守っていた。人夫は、芦峅村の世話役で、芦峅寺総代の佐伯永丸(井川比佐志)に頼むが、うちの村の人間を長次郎の下で働かせることはできないと断られる。しかし、明治になって40年も過ぎて、昔のままでは自分たちにも損になるだろうと、資材の提供など剱岳登頂への支援は約束してくれる。佐伯は、立山信仰に訪れる人々に、慈光上人によって開山された歴史や、立山曼荼羅に描かれているような地獄を覗くことのできる場所として、剱岳は、地獄の針の山と説明をしている。
柴崎と長次郎は、立山連峰に入る。しかし晩秋の剱岳は、登頂ルートのヒントも与えてはくれなかった。現地で、日本山岳会の小島鳥水(仲村トオル)と岡野金次郎(小市慢太郎)の二人に出会う。彼らは、ヨーロッパから輸入した最新式の登山道具を持っている。お互いライバル心を感じる。柴崎と長次郎は、厳しい冬への変化を示す激しい氷雨に打たれ下山を決意する。途中、長次郎が行者さま(夏八木勲)にお声を掛けないとこの氷雨は根雪に変わるので下山できなくなると言う。気を失った行者を背負い下山する二人。行者は、二人に、修験者たちの間の言い伝えとして、雪を背負って登り、雪を背負って下れば剱岳は神にも仏にもなる、自分たちが登れるということを信じることだと語る。
柴崎の剱岳制覇の可能性が見えないというレポートに、陸軍参謀本部の幹部たちは激怒する。国防うんぬんよりも、結局民間団体の日本山岳会に初登頂されたらという、面子だけの問題なのだ。古田は、君は、陸軍参謀本部陸地測量部に雇われている測量士なのだから、辞める自由もあると言ってくれたが、地図の空白を埋めることこそが自分の誇りだと思う柴崎は、翌40年4月に剱岳への測量を決意する。ベテラン測量士の木山竹吉(モロ師岡)と若手の生田信(松田龍平)の三人に、長次郎が雇った大山村の宮本金作(蛍雪次郎)、岩本鶴次郎(仁科貴)、山口久右衛門(蟹江一平)三人の人夫だ。長次郎は、立山信仰の信者たちのガイドをしている息子に剱岳に登るのは止めてくれと言われる。長次郎は、息子の頬を打って、自分は山に登りたい人に登らせてあげることに誇りを持っていると言う。
確かに素晴らしい映像だ。山登りなんて殆ど縁のない自分が見ても、山岳映画として絵の美しさは群を抜いていると思う。1000円だからか、お客さんも入っていたし、ヒットしているという話も本当だ。しかし、ちょっと気になるのは、ノーCG、撮影というより行のような過酷な撮影、褒められ方だ。褒められ方というより、木村大作が自画自賛するので、その通りだなあと言う感想になるんだろうな。しかし・・・・。まあ、いろいろ考えずに、役者も映像の一要素と割り切って、スクリーン見ていろということなのか。
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