シネマート新宿で、東陽一監督『酔いがさめたら、うちに帰ろう(1)』
居酒屋で若者たちが飲み会をしている。近くの席で、塚原安行(浅井忠信)が一人で中ジョッキを傾けている。両手の人差し指と親指を組み合わせ、ファインダーにして、飲み会の娘を見る塚原。娘たち「見てる…見てる…。」「チョー見てる」椅子から滑り落ちる塚原。居酒屋の店員たち「また、あのお客さん」
娘のかおる(森くれあ)「おとしゃん!!おとしゃん」息子の宏(藤岡洋介)「寝ちゃだめだよ。ウチに帰ろう」園田由紀(永作博美)「ほら、帰ろう・・・」これは塚原の夢のようだ。居酒屋の店員たちに抱えられ起こされる。夜の吉祥寺の街を、少しよろよろしながら歩いている安行。下げたコンビニの袋の中には、缶ビール、ウォッカ、いいちこなどが入っている。「塚原」という表札の懸った家に入って行く安行。安行の母弘子(香山美子)が生花をしながら「ちゃんと食べなさいよ、夕飯」あいまいな返事をして、自分の部屋に入る安行。「今日で、酒は終わりです。来週は素面で家族に会うのです」缶ビールの栓を開け、口に運ぼうとして、鏡に映った自分の股間が濡れているのに気がつく、ベッドから立ち上がると失禁をしていることに気がつく、トイレに行き、着替えようとすると突然吐血する。弱った声で母親を呼び、トイレのドアを蹴り続けると母親がやってきて、救急車を呼ぶ。
救急隊員が来て、母親が掛り付けの病院の連絡先などを教えていると、由紀がやってくる。安行に「大丈夫、まだ死なないよ」と声を掛ける。弘子も由紀も慣れている。救急車に付き添いで乗り込む弘子「子供たちのために帰ってあげて・・・」救急車を見送り子供に携帯を掛ける由紀「心配ないよ。おとうさん病院に行った。あと5分?秒で帰るね」
病室で眠っていた安行が目を覚まし、隣の弘子に「何日眠っていた?」「丸3日。よく生きていますねって・・・。吐いたの8回目?」「10回目かな。断酒薬を飲むことにする」「由紀さんたち来るわよ。ああ、もう今日だ」そこに、由紀が、宏とかおるを連れてやってくる。弘子「ちょっと、わたしコンビニに行ってくるからいいかしら」「はいどうぞ」
「俺、病院に入る」「そう」窓にシールを貼って遊ぶかおる。由紀、採尿のパックを見つける。「宏!!おとしゃんのおしっこだ。勝手なおとしゃんの罰に、逆流させてやろう」「やろう!やろう!!」「やめてくれ・・・・」「ほらー」採尿パックで遊ぶ由紀と宏。
うーん、映画としては、正直なところ穴だらけな感じがする。しかし、タイトルと永作博美と子役だけで、何だか許せてしまう。不思議な小品だなあ。
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