2010年9月2日木曜日

上方と神楽坂。

   ラピュタ阿佐ヶ谷で、孤高の名優 佐藤慶。
    64年東映京都長谷川安人監督『集団奉行所破り(137)』

    堂島の米蔵。米の俵が積み上げられて、賑わっている。(NA)江戸はおさむらいの都ちゅうたら、大阪は商人(あきんど)の都っちゅうことでっしゃろ。ここ堂島は大阪の口の米市場ちゅうたら、胃袋は天満のやっちゃ場だっせ、で、頭どこやって聞かれたら、大坂城と言うかもしれんけど、徳川八代の世にもなれば、そんな大層なことを考えるもんも出てきませんので、ほんまはここや、東町奉行所と聞けば、悪い奴らはみんな、震え上がる始末だっせ。
まあ、大坂の商人の神信心好きっちゅうことでっしゃろ……。
    天満宮で、一心に祈る男の懐から財布を擦る掏摺のエテキチこと捨吉(神戸瓢介)。気がつかれて逃げ出す。ダマシチこと為七(市川小金吾)の懐に財布を押し込んで、捕まってから、さあ探せ!!と下帯ひとつで、地面に転がる捨吉。
    為七は、懐の財布を調べ、下町までやってくる。少し誤魔化そうとするが、為七は、財布が軽くなったと言われ、銭を返す。溜まり場の飯屋萬兵衛に入り、捨吉に酒をたかろうとした時に、三人の浪人者(島田秀雄、大城泰、有島竜司?)が店に入ってくる。水丁亭と言う法被を着た女郎屋の親父が金を払ってくれと付いてきている。どうやら踏み倒そうとしているのだ。騒がしさに、奥の小上がりで寝ていた悪源太こと田村源太(大友柳太朗)が、五月蝿いと文句を言い、表に出ろと言うことになった。  
    為七は、捨吉にニセ町医者の法眼の道伯(内田良平)の下に走らせ、自分は浪人者たちに、もし亡くなった場合には、懐中の銭を自分にくれるよう約束をして断られる。勝負は一瞬にして決まり、三人の浪人者は鼻を切られていた。もんどり打って転がる三人を為七は堂白のもとに連れて行く。道伯は、痔の薬を鼻に塗り、為七は、1両2分の有り金全てを治療費だと言って巻上げる。文句を言いかけた3人に、源太が追い掛けてきたと脅すと、大慌てで逃げて行く浪人者たち。  
     すけこましの業平こと丹次郎(里見浩太朗)が、商家の若旦那風の格好で、天神さんの人混みで娘に声を掛けながら歩いている。ふと一人の娘(嘉手納清美)に目を止める。「君みたいなお嬢さんは、こんな処を独りで歩いていると危ないよ。」と声を掛けると、お糸という名の娘は、「本当にそうみたいね。」地廻りの三人組(島田秀雄、大城泰、有島竜司?)が、取り囲み、付き合ってくれねえかと声を掛けてくる。丹次郎は、色男金と力はなかりけりを地で行くので、なかなか割って入れない。調子に乗った男たちは、お糸を攫おうとする。そこに、東町奉行所の同心で、蝮の金次郎こと竹内金次郎(佐藤慶)がやってきて、男たちをボコボコにする。「お父さん止めて!!死んじゃうわ。」お糸は、同心の娘だったのだ。お糸は「行きましょう!」と丹次郎を誘って、竹内を置いて行く。「腕の振るいどころをなくしちゃったわね。」お糸は、どうも父親に屈託があるらしい。
    そこに、すぼけの吉蔵(田中春男)が、「兄貴、勘助の親方が呼んでいまっせ。」と声を掛ける。「お前、若旦那と言え」「若旦那って、おまえさん業平やろ・・。」「ちょっと、店に戻らなけばならなくなったみたいだ。」
東町奉行所、財布を摺られた浪花屋の番頭に蝮の金次郎が、、掏摺を裸にしても、既に財布は仲間に渡っているのでどうしようもないのだと、殿から浪花屋への賂の礼の手紙を盗まれたのは、大問題だと言う。
    公事宿碇屋(看板は商人やどと書いてある)の主人勘助(金子信雄)は、7年前まで海賊の頭領だった。天龍丸と言う海賊船が奉行に追われ沈んだ時、大坂一の廻船問屋の河内屋善右衛門に助けられたのだ。しかし、善右衛門は、その莫大な資産を狙った奉行の松平右近将鑑(原田甲子郎)に、海賊の黒幕と罪を着せられ、?橋で、晒し首にされ、河内屋の奉公人も投獄されてしまったのだ。“軍師”勘助の碇屋に、道伯、捨吉、源太、為七、吉蔵、丹次郎が集まった。「あと一人足りねえぜ」と為七が言ったところで、小又の切れ上がったいい女(桜町弘子)が現れ、「私が佐吉の妹のお駒よ」と言って、呼び出し状を出した。佐吉は、佐渡送りの途中死んだと言う。道伯は怪しんだが、吉蔵以外の全員の渾名を次々に言うお駒を仲間に入れることにする。
    釣り舟の客に化けて、湖上で、軍師勘助は話し始めた。河内屋善右衛門が、自分たちの身代わりになって晒し首にされて今年は七回忌。資財を投げ打って大阪の堀を整備し、大阪中の庶民に今も慕われて善右衛門の追善法要を盛大に執り行いたいのだと言う勘助。その為に東町奉行所から、二千両盗み出すと聞いてたまげる。
    まず、悪源太が役人を斬れるなら手伝うと、最後までぶつぶつ言って捨吉も、通りかかった上役人の舟に、恐れながら、奉行所を襲おうと言う密談をと告白したが、役人は冗談を言うなと取り合わず、結局他の連中から舟から突き落とされ、仲間になると言う。晴れていたのに、捨吉が予測した通り、嵐になり、ズブ寝れになった一同は、碇屋に駆け込んだ。


お光(御影京子)長坂又右衛門(戸上城太郎)逸見軍十郎(楠本健二)、宇部甚八(佐藤洋)、大沢小太夫(藤木錦之助)万兵衛(市川祐二)、彦助(佐々木松之丞)お松(牧淳子)おしげ(園千雅子)万作(鶴田淳一)甚兵衛(源八郎)久兵衛(中村錦司)浪速屋庄右衛門(水野浩)堺屋五兵衛(有馬宏治)和泉屋安次郎(熊谷武)茨木屋藤四郎(矢奈木邦二郎)

    神楽坂毘沙門天で、林家たい平師匠の落語会。元会社主催で呼んで貰ったので、20代美人作曲家と神楽坂駅で待ち合わせて出掛ける。いつものCDショップとのタイアップイベントだが、良かった。30分位の筈が、明烏と、薮入りで、1時間近く。こりゃ独演会だ。時折感じる生真面目さが勝ってしまう話しではなく、力の入った噺は、強引な運びだったが、ビンビン伝わって来た。

    美人作曲家と神楽坂で飲み、ベロンベロンでちょっと絡んで帰宅。

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