2010年8月30日月曜日

羨ましいぜ!小栗旬。

  赤坂でメンタルクリニック。元会社まで、独身美人OLに惣菜差し入れ。保冷剤含め重い。

   六本木シネマートで、小栗旬監督『シュアリー・サムデイ(136)』
    松竹のマークに「よっ!松竹!!」次の角川映画のマークに「さすが!角川映画!!」と声が被さる。三番目のトライストーンのマークには無言。
    学校のチャイムの音。喜多川高校の校舎、4階のある教室、「欲しがりません、勝つまでは」と言う垂れ幕、窓ガラスには「文化祭復活」と書かれている。廊下側のドアには、机でバリケードが造られている。
    ハンドマイクを持った真鍋京平(勝地涼)が「校長!!あんたは何も分かっちゃいない!確かに、今の若者は無気力かもしれないが……俺たちは燃えている。ギターを死ぬ気で練習してきたんだ!……」教室の中の喜志巧(小出恵介)「あいつは、文化祭でバンドやれば、コクられまくり、ヤリまくりだからじゃなかったか?」バリケードの中には、他に後藤和生(鈴木亮平)北村雄喜(ムロツヨシ) 岩崎秀人(綾野剛)
   校庭には、校長、教頭(笹野高史)、体育教師(高橋努)、生徒たちも集まって、立てこもった教室を見上げている。「既に爆破した倉庫の何倍もの火薬が仕込まれている!」校庭の後ろには、体育倉庫の残骸がある。それを見て、校庭にいた生徒たち、校舎から遠くに逃げ出す。
   「57年に及ぶ伝統ある、この校舎を爆破してもいいのか?」爆弾を作った雄喜「あと5分!!」その声はマイクを通じて全校に流れる。周り中で悲鳴があがる。
   マイクを持った教頭、校長と相談をして「分かった!君たちの要求を受け入れる。文化祭の開催を認める!」
    立てこもっていた生徒たち歓声を上げる。「よし、タイマーを止めろ」「どうせ、爆薬は入ってないんだから」京平「いや、入れた」「何で?」「雰囲気あると思って」「えー!?」「タイマーのコードを切れ!!」「これか!?いや違う!!」焦り出す生徒たち。巧「こうなったら作戦Xだ!」「Xって何だよ?!」「逃げるんだ」皆、バリケードの机を投げ、戸を倒し、廊下に転び、走りだす。階段を駆け下り、閉った裏門を乗り越えたところで、巧「雄基はどうした!?」雄基は、教室内で自分が作った爆破装置を必死で解除しようとしている。しかし、タイマーはゼロを表示し、黒髭危機一髪の人形が飛ぶ。裏門では「雄基!!!」と巧が叫んでいるが、教室は轟音と共に、爆発した。
   3年後、食材の入った袋を提げた巧に京平が絡んでいる。「雄基は死ななかったが、片腕を失って、俺たちに会いたくないと言ったじゃないか」「巧は、まだあの事件を引きずっているんだな。お前は、結局、あの事件のせいで、高校を退学。彼女とも別れ、息子の起こした事件の責任を取って刑事を退職した父親の、ちんけな店を手伝っているじゃねえか。」巧「そんなお前だって、あの事件のせいで退学。しかし奮起して大検に合格、必死に勉強して、三流の望応大学に合格。大学生になれば、コクられまくり、ヤリまくりと思いながら、相変わらずの童貞じゃねえか」「どこかに、女転がってねえかなあ」「いた!・・・」
   二人が歩いている陸橋の下の道、金髪、黒いコート、赤いハイヒールの女がフラフラと道に出て来て、黒塗りのベンツに跳ねられ、ボンネットを転がって、道に倒れる。走りだす巧と京平。ベンツを運転していたサングラスと黒スーツ姿の男が降りて来て、「大丈夫か?!今直ぐ、救急車を呼ぶから」と声を掛けると、女は、男の足に隠してあった拳銃を抜き取り、男に突き付ける。呆然とする男を残して、女は車を出し、走り去った。車を追い掛け走る男を見送り、二人は、何が起きたか分からない。
   男が、掛け戻って来て、二人に声を掛ける。ビビる京平。「お前ら、巧と京平だよな」「??」「和生??」「とにかく、あの女を追いかける。じゃあな」
   和生を見送り、その夜、巧の父親喜志建夫(竹中直人)が、警察を辞めた後、開いたバー、バッドマンで話す2人。その頃、夜の街では、和生が組織の人間十数名に追いかけられていた。
   巧「結局、和生は、ヤクザになったということか?」「あの事件のせいで、3年で中退した和生は、格闘家を目指し道場で修行をするが、病気の妹の医療費のために、ヤクザになった」「その通りさ!!とにかく俺を匿ってくれ!!」バーの事務所に駆け込む和生。突然、店の硝子が派手に割れ、杖を突いた怪しい男(吉田鋼太郎)が入って来る。「今、この店に後藤和生が入って来たよな。隠すとためにならないぜ」言葉も出ない二人に男は、店中を探し「あいつとは、どういう知り合いだ」巧「高校時代のダチです」京平「おいっ」「そうか、俺の名前は、亀に頭と書いて亀頭だ。明日中に、あいつと、あいつが持ち逃げした三億円を返しに来い!逃げると、お前らと家族をバラす。じゃあな。なんだ、入口があったのか?」水差しの水を飲み、グラスごと床に投げ捨てると、帰りはドアから帰って行く亀頭。
    
    出て来た和生「3億取り返さねえと」「それには、あの女だ」「俺、女に覚えがある。昔、巧の母ちゃんじゃないかと歌舞伎町に会いに行った女だ」「!?」「はっぴーナイトの?」
     10年前の回想。団地の散らかった一部屋。ダイニングキッチンの食卓で巧の父健夫が、新聞を読んでいる。少年時代の巧が雑誌を持ってやって来る。「お父さん、この人、お母さんじゃないの?」「人の部屋に勝手に入ってくるんじゃねえ!!お前の母ちゃんは、お前を産んで直ぐ亡くなったんだ。」巧がだしたのは、風俗雑誌「おとなの遊艶地」、はっぴーナイトのソープ嬢のヒメノ(小西真奈美)が載っている。結局、巧は友達の4人を誘って自転車で、新宿歌舞伎町に向かう。雄基が発明したターボ自転車は、凄い力を発揮したが、タイヤがパワーに耐えきれず爆発した。歌舞伎町のはっぴーナイトは見つかった。横には、小さな水子地蔵がある。客引きの坂口(須賀貴匡)に「ヒメノさんを呼んで下さい」「ガキがどういう知り合いだ」「僕のお母さんかもしれないんです」「!?」
    ソープ嬢の控え室で待たされる巧。暫くすると「君があたしの子?言われて見れば、目許とか似ているわね」「えっ!?」「嘘に決まっているでしょ」「君だって、お姉さんがお母さんじゃないって知ってたんじゃないの?」「お父さんに、お母さん以外に好きな人が出来たんじゃないかと思って。こんな雑誌、お父さんが持って帰ることなかったから…」


   正直、見るまで、山本又一朗だし、小栗旬を役者として感心したことはないので、昨日の「東京島」に続いて、今年のダメ邦画と全く期待していなかった。事実、突っ込み所も少なくはない。しかし、途中から、何だか1本映画撮った小栗旬が羨ましくなってきたのも事実だ。皮肉でなく、映画ファンの高校生が、友達誘って、『作ってやったぜ!俺の映画』みたいな感じだ。確かに、商業映画だからバジェットも少なくないので、スタッフもプロだし、好きな役者に出て貰って、カメオ出演もこれでもか、やりたい放題(笑)。
   ただのアイドル役者風情が監督しやがってと、映画評論家や映画ブロガーの評価は決して高くはないが、田中絹代だって、佐分利信だって、山村聰だって、宇野重吉だって、若き日に、やっぱり監督しているじゃないか(笑)。最近の日本映画界の製作委員会によるプロデューサーシステムの弊害よりも、よっぽどマシだ。
   新人監督が、苦労して自分の力で撮った作品が海外で評価された途端、自分たちのチンケな作品の監督に抜擢した挙句、寄って多寡ってぶっ潰す。そんな日本映画があまりに多い。少なくとも、最近の山本又一朗のプロデュース作品の中ではマシな方だ。試写会見て文句言っている連中は嫉むなら、自分で撮るか、金集めて、好きな監督に映画撮らせろ!!

  小栗旬!!と呼び掛けても、本人には届かないと思うが(苦笑)、これに懲りず、どんどん撮れ!!!次はもっと頑張れ!!

  ただ2つだけケチをつけると、「映画監督は、僕の長年の夢でした」と言う小栗旬のコメント、まだ20代なのに、そんなコメントは、日本人の3分の2、映画業界人の3分の3は敵に回すので、そこは言葉だけでも謙虚に言え!!。もうひとつは、小西真奈美が風俗嬢となっていたが、ワシのイメージでは、風俗嬢は、ノーパン喫茶やファッションマッサージ、ヘルスなど風俗店が出来てからの、本番無しの女の子の仕事、ソープ嬢は・・・違うと思う・・・。別に差別ではなく・・・。
   

   さすが、韓流映画の聖地六本木シネマート。20人ほどの女性がロビーで終日談笑中。モニターに映る予告編やポスターなどをデジカメ撮影。自分と同世代か少し下だろうか。子供は成長し手が離れた専業主婦だろうか。月曜の昼間から羨ましいなあ。映画撮らせるどころか、自分の口ひとつ養うのが厳しい、甲斐性のない自分(苦笑)。

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