2010年8月20日金曜日

スタッフ・ベンダ・ビリリ!

    日仏会館で試写会、
    ルノー・バレ&フローランド・ドラテュライ監督『ベンダ・ビリリ! ~もう一つのキンシャサの奇跡(132)』

    2004年12月、コンゴ民主共和国の首都キンシャサ。深夜の町には沢山のストリートチルドレンがいる。彼らは、かっぱらいやタカリなどて、生きている。人から盗んで生きていくのが、ジャングルの掟だと、一人の少年は言う。
    2005年5月、同じ場所に、自転車やバイクを改造した車椅子に乗った男たちが、集まって来る。リーダーの男はリッキー。パパリッキーと呼ばれる障害者の自分達が生きていくために、バンド、スタッフ・ベンダ・ビリリを作っているのだ。彼らは、幼い頃ポリオに感染して障害者となった。身体障害者シェルターで暮らしている。そこには彼らの家族も暮らしているが、皆路上生活とほとんど変わらない生活だ。キンシャサの子供たちは、子供同士博打をし、その日暮らしだ。そんな子供たちに、音楽で生計を立てる術を教えるリッキー。彼らの歌のテーマは、日常の生活から生まれた力強いメッセージだ。トンカラ(ダンボールのこと)の上で、寝起きする生活を歌った“トンカラ”、自分たちのようなことが起きないように、母親に幼児にポリオのワクチンを飲ませてくれと言う“ポリオ”、ギタリストのココが歌うコンゴの大河プールマレボ(?)の両岸で別れ別れに暮らす妹を歌った歌“マルガリータ”
    ある夜、ドキュメンタリー映画のクルーは、空き缶と一本の木と針金で出来た自作の楽器を演奏すことで、生きて行こうとしている13歳の少年ロジェに出会い、リッキーに紹介する。リッキーは、俺が時間を掛けて仕込めば、ロジェが将来優秀なリード・ギタリストになるだろうと言って、メンバーに加えた。彼らのリハーサルは、キンシャサ動物園だ。
     レコーディングが始まった。馴れないスタジオでの演奏は、メンバーを緊張させ、失敗を繰り返す。更に、シェルターが火事になり、リッキーたちは焼け出され、路上生活に逆戻りだ。日々の生活もままならず、レコーディングスタッフは、残りの予算をリッキーに預け、フランスに一時帰国する。ロジェも、故郷の村に帰った。
     1年後、レコード会社からの支援をこぎつけ、キンシャサに戻ると、リッキーたちは、煙草や菓子を売る屋台で生計を立てていた。その年は、ジョセフ・カビラの大統領選挙が行われている。
     再び、メンバーを集め出すリッキー。ロジェを探しに出るが、車でも辿り着けないような場所だ。しかし、成長したロジェが、小舟に乗ってリッキーの前に現れた。

レコーディングは再開された。今回は、いつもリハーサルをするキンシャサ動物園でスタートした。
夜、蚊の大群に悩まされながらも、素晴らしい演奏が録れた。一年のブランクを感じさせない集中力で、彼らの1stアルバム「屈強のコンゴ魂」が完成した。
アルバム完成記念コンサートが、キンシャサのフランス系会場で開かれ、大成功を治め、800ドルのギャラも入った。リッキーは、メンバーにギャラを分配する。ロジェには、主要メンバーと同じ80ドルを渡し、入院中の母親の治療費を払って退院させてやれと言う。次は、いよいよ、海外ツアーだ。2009年7月、フランスで行われたユーロックフェスだ。パスポートも、飛行機も、勿論海外も初めての経験だ。口々に自分たちの音楽への自信を語りながらも、緊張した表情のベンダ・ビリリのメンバー。
   コンサートは素晴らしいものだった。

トンカラ(段ボール)の上から世界へ。
友よ忘れるな。昨日は道で食べ、今日は皿で食べる。今日は皿で食べ、明日は道で食べる。
リッキー、ロジェ、ココ
「屈強のコンゴ魂」
2010年7月、ユーロック
トンカラ(段ボール)の上から世界へ。
友よ忘れるな。昨日は道で食べ、今日は皿で食べる。今日は皿で食べ、明日は道で食べる。

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