2010年7月1日木曜日

東長崎初下車。

   神保町シアターで、映画少年の夢 川本三郎編
   63年松竹大船中村登監督『鏡の中の裸像(110)』
   赤電話が二台並んでいる。黒柳宗敬(池部良)「三信商事ですか?清水さんをお願いします。」取次の途中で、切れてしまう。かけ直そうとポケットを探すが、10円玉は無い。売店の親父に「くずしてくれないか」と言うが、「悪いね。もう隣の人に両替しちゃったんで」と言われる。隣で電話をしていた直木しづ子(倍賞千恵子)が10円を差しだす。黒柳は100円札を渡そうとするが、しづ子は、「いいです」と行ってしまう。
自由が丘にある第2黒川美容室。オーナーの川原なつ(沢村貞子)の一人息子の一郎(神山繁)の妻赫子(川原貴美子)が店を切り盛りしている。なつは、六本木に、もう1店経営しているのだ。一郎は会社を辞めブラブラ髪結いの亭主よろしく、今日も昼近くにも関わらずパジャマで朝食を取っている。インターンとは名ばかりの住み込み家政婦扱いの丸木光子(水科恵子)を呼びつけ、味噌汁が冷えていると文句を言っている。一郎は、店の美容師の河村紀子(中村雅子)に手をつけているのだ。光子が電熱器のコンセントを入れた途端、家のヒューズが飛ぶ。店も停電し、赫子が、あんた直してよと二階に上がって来る。
    白鴎学院の理事長室。理事長の黒柳ふさ枝(毛利菊枝)に、川原なつが息子の一郎の就職の面倒をみてくれとせがんでいる。そこに、宗敬が入って来る。やっとなつに解放されたふさ枝に「お母さん、フランスからマダム・ヴァレーリを呼ぶんですね。」「誰に聞いたの?」「三信商事で聞きましたよ。あそこにもお金を出させるんですってね。学院には、ドルが無いからでしょう」「最新の美容を勉強するためよ」「どうせ、研修会で会費三万ずつ取れば大儲けですよ」「失礼なことを言うんじゃありません」「そうそう、僕の結婚相手は自分で決めますので、勝手なことはしないで下さい」「自分で決めて失敗しているじゃないの」「お母さんやお父さんの仕事のために政略結婚することは絶対お断りしますからね」
    喫茶店、しづ子が机の下で、大学生の白石三郎(川津祐介)にお金を渡している。三郎は、音楽家になりたくて、ピアノがある今のナイトクラブで働いているのだと言う。音楽家では暮らし向きは大変だと言いながら、しづ子は、好きな男のために、支えてあげたいと思うのだ。しづ子と三郎は半年前に日比谷で行われた音楽会で、知り合い口づけを交わしていた。
    しづ子は、白鴎学院で同級だった江東和子(桑野みゆき)と一緒に下宿している。下宿先の大家西垣伸子(杉山徳子)の息子で、タクシーの運転手をしている徳次(三上真一郎)は、しづ子に片思いをし、手紙を渡したが、三郎と付き合っていたしづ子は、開封せずに、徳次の靴に入れて返した。和子は、六本木のある第1黒川美容室で働いているが、しづ子は学校に残り研究生をしている。講師を勤めるなつのパーマネント術を、生徒たちに混じって真剣に見つめるしづ子。
   しづ子が学院の校門を出ると、男が声を掛ける。不信げに見返すしづ子に、赤電話で10円玉を借りた男ですと宗敬。納得したしづ子を強引に車に載せ、家まで送る宗敬。しづ子は、宗敬が校長の息子であることを知って驚くが、何事も儲け主義な校長とは正反対な宗敬に好感を持つ。自分は、千葉勝山で小さな美容室を営む母(浦辺粂子)の元、姉(市原悦子)と折合いが悪く家を出て、髪結いではなく、クリエイティブな美容師を目指しているのだと言う。宗敬は、校長と偉そうにしているが、母親は色街の白髪染めの髪結に過ぎなかったと言う。
  実は三郎は、音楽家を志す大学生でも何でもなく、一年前に退に花札博打の借金の返済を迫られいた。更に則介の情婦の?と出来ている。



   渋谷シアターNで、塚本晋也監督『鉄男 THE BULLET MAN(111)』

   何だか釈然としないなあ。鉄男ってもっと訳分かんないパワーだけ溢れていた映画じゃなかったかなあ。何だか、今回の惹句の「鋼鉄と化した心を溶かすのは愛か 憎しみか」のまんまで、余りに分かり易い…。“日本映画の枠を突き破り”ハリウッドに色目を使ったのか…?鉄男的な表現は当たり前になり、インパクトが無くなってしまったのか…?
20年振りにもう一度「鉄男」見直すか。

   東長崎のギャラリーで行われているグループ展に。美人画家が参加しているのだ。デザイナーN氏とは小笠原のライブの時に一緒に行こうと言っていたのだが、カメラマンO氏、CMプランナーHリー氏までいて驚く。そのあと、お好み焼き屋に。帰りは、車で来ていたO氏に荻窪まで送って貰う。先日のN氏といい、車で来ている人の前で、いい加減呑みまくって、送って貰う。酔っ払いの自己中な厚顔無恥は、留まるところを知らない。

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