2010年6月5日土曜日

映画デートにギャスパー・ノエは微妙。

新宿駅で、美人画家と待合わせ、
  
  新宿のシネマスクエアとうきゅうで、ギャスパー・ノエ監督『エンター・ザ・ボイド(100)』

   東京新宿歌舞伎町のアパート、オスカー(ナサニエル・ブラウン)は、妹のリンダ(パス・デ・ラ・ウエルタ)と言い争いをしている。ジャンキーのアレックスが自分に色目を使ってくるのが気持ちが悪い、ドラッグの売人を続けているオスカーを責めるリンダ。オスカーはオスカーで、妹がSEX MONKEY POWERでストリッパーとして働き、そこのマリオ(丹野雅仁)と出来ていることが耐えられないのだ。リンダは仕事に出掛けて行った。ドアにチェーンを掛け、マリオはパイプでDMTをキメる。
  トリップしているオスカーの携帯が鳴る。ビクター(オリー・アレクサンダー)からだ。ドラッグを買いたいのでボイドで会いたいと言うのだ。オスカーは洗面所で顔を洗う。鏡には、ショートカットの白人が映っている。自分の顔を見ながら、少しずつ自分を取り戻すオスカー。
   そこに、アレックス(シリル・ロイ)がやってくる。アレックスは、自分が貸した「チベットの死者の書」を読んだと聞く。「読み始めたが、面白いので、もう少し貸してくれ」と頼み、今から友人のビクターにLSDを渡しにボイドまで行くのだと言う。ヤバいからここに来て貰えとアレックスは言うが、ビクターの母親と関係したことがばれてしまい、ビクターはオスカーの部屋には来たがらないのだ。アレックスと一緒にボイドに向かうオスカー。非常階段を降りながら、「DMTは、人が死ぬときに脳内に出てくる物質と同じ成分なのだ」と言う。ボイドはどうも嫌な気がするので外で待つというアレックスを残し、一人で店に入るオスカー。
   ビクターにLSDを渡そうとした時に、「動くな!警察だ」と言う声がする。ボイドのトイレに駆け込み、汚れた和式便器にドラッグを流そうとするオスカー。しかし、レバーを引いても貯水タンクから水は流れない。便器の外にこぼれたドラッグを拾い、慌てて流そうとするが全く水は流れない。動悸が高まる。ドアを激しく叩き、ポリスが叫ぶ。「出てこい!!」オスカーは水が流れないことに動転していた。「銃を持っているぞ」という声がする。突然銃声がして、ドア越しに発射された弾丸が、オスカーの右胸を貫通した。
   「血が出ている。血液を検査されたらまずいな。刑務所に行くのか。こんなところで死ぬのは嫌だな・・・。」便所の床に横たわるオスカーを上から撮っているカメラ。オスカーの魂は、汚い便所の床に胎児のように横たわる自分の姿を見ているのだ。いつか、オスカーの視線は、ボイドのビルの外に移り、救急車やパトカーを見降ろしている。暴れるビクターを数人のポリスがパトカーに押し込もうとしている。「何があったんだ?」とビクターに尋ねるアレックス。「オスカーがポリスに射殺された!」と暴れながら叫ぶビクター。「オスカーが死んだ・・・」ショックを受けながら、現場から逃げ出すアレックス。警官の制止の声を聞きながら、全速力で走るアレックス。その姿をずっとオスカーの魂は追っている。
    ストリップ小屋のSEX MONKEY POWERの前で、リンダに会わせろと言うが、用心棒の男たちに阻まれるアレックス。その時、ショーが終わって楽屋に戻るリンダ。マリオが入って来て、リンダを抱き、濃厚なキスをする。リンダは欲情している。楽屋の小さなソファの上で、リンダを抱くマリオ。途中携帯がなるが、リンダは出ない。リンダの中でマリオは果てて楽屋を出てから、メッセージを再生するリンダ。アレックスの「オスカーが警官に射殺された。自分も今逃げている」というメッセージに泣き崩れるリンダ。
    アレックスは、妹リンダが生まれ、母親と一緒に入浴している時のことや、目の前で泣きじゃくるリンダに、いつまでも一緒にいるよと言った時のことや、幸せだった家族との過去を思い出している。ある時、父母とリンダで旅行に出掛ける途中、一家の車の目の前に巨大なトラックがあった。前に座る両親の血だらけな死体。オスカーの横で、リンダは泣きじゃくっている。救急隊員が、両親を一瞬に失った不幸な幼い兄妹を助け出している。幼かったオスカーが両親の寝室を覗くと、後背位で愛の営みの最中の父母。オスカーは、両親がいつか一家で行こうと言っていた東京にやってきた。東京でアレックスが生まれ、パリに帰ってからリンダが生まれた。
    東京にやってきたアレックスは、友人となったビクターの両親と食事をしている。小さい時に、祖父母が亡くなり別々の施設に入れられた妹を、東京に呼びたいのだと話すオスカー。東京でショウダンサーだったビクターの母親のスージー(サラ・ストックブリッジ)が「妹を呼び寄せるお金を貸してあげるわ」と言う。喜ぶオスカーにキスをし、服を脱ぎ始めるスージー。

  仏語、英語、日語のタイプグラフィが激しく点滅するクールなオープニングがかっこいい。そしてアレックスが死ぬまでのスピードの早さ。しかし、アレックスの魂が浮遊し始めると長い。あまりに長い(苦笑)。カンヌやトロントでの上映は更に長いバージョンだったらしい。留まることのなく延々と浮遊し続けるオスカーの魂の主観カメラ。俯瞰映像の好きな私でも2時間俯瞰を見せ続けられると確かに疲労困憊っだ。ひょっとすると、キメながら観ていると、浮遊するオスカーの魂と一緒になって、延々と高揚した気持ちが続くのかもしれない。」

   6周年を迎えた外苑前の粥屋喜々に出向くとやっていない。貸切だった。途方に暮れていると、店主がスクーターで戻って来て、入れて貰う。宴会の20時半まで食事。トムヤンクン粥喜んでもらってよかった。

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