阪本順治監督『大鹿村騒動記(12)』
南アルプスの山間の村。大河原町のバス停に、バスが停まる。運転手の越田一平(佐藤浩市)が、先に降りて老婆の手助けをする。「ばあちゃんいくつになったの?」「97歳です」「婆ちゃん、今度薬持ってきてやるよ」「ありがとうございます」その後に、茶髪の若者。更にサングラスを掛けた年配の男女がおりる。
一平、二人を目で追う。橋の上でサングラスを直す二人を見て、「あれ、治さんと、貴子さんじゃないか・・・」
橋の上の二人。「善ちゃん!!懐かしい!!」「俺は善じゃねえ。治だって・・・」無邪気に笑う貴子(大楠道代)と、途方に暮れる治(岸部一徳)。
バスを降りた茶髪の若者が地図を見ながら歩いていくる。その先に「ディアイーター」と白地に黒く書かれた看板を見つけて、うなずく。小鹿が2頭入った檻の中にいるテンガロンハットを被った男に声を掛ける。男は、歌舞伎のせりふらしいものを喋っている。「すみません・・・」「何だ?」「その鹿食べちゃうんですか?」「小鹿に気がつかずに母鹿を撃っちまったんだ」「長野のタウン誌に」「ああアルバイト」テンガロンハットの男は風祭善(原田芳雄)。シカ料理屋の主人である。「僕、働きたいんです」「若い奴はつづかねえぞ。ここには若い奴なんていねえ」「何にもねえぞ」「ハァ、テレビもめぇ、ラジオもねぇ。車もそんなに走ってねえ。おら、こんな村やだ~、おら、こんな村やだ~。でも芝居はある。」「僕、自分のことを誰も知らないところで働きたいんです」「名前は?」「大地です」「下の名は?」「雷音です。雷に音」「立派な名前だな。芝居をやれ。役者をやらねえ奴は、嫁の来てもねえ」しかし、善は、一人で店をやっているようだ。
村内放送のアナウンスをする村役場総務課の織井美江(松たか子)。「本日、午後五時半から役場2階の会議室でリニア新幹線に関する公聴会を開催します・・・・」
大浴場に、治と貴子が入っている。入り口から覗いている大塩館の主人山谷一夫(小野武彦)。「おい、やっぱり貴子じゃねえか!?」「覗きはまずいですよ」「入ってきた時は、よくわからなかったから確認さしたんだ。善は知ってんのか?」「まずいでしょ」「まずいってたって、知らせねばもっとまずいだろ。でも、何で今頃帰って来たんだ?」「俺だって知らないですよ」
そこに、善たちがやってくる。
役場の会議室「んだから、リニア新幹線が走れば、若いもんだって帰ってくるから」土木業を営む重田権三(石橋蓮司)。「農業を捨てる奴が増えるだけだろ」白菜農家の柴山満(小倉一郎)「白菜農家が!!」「白菜農家を馬鹿にしたな」「まあまあ、二人とも落ち着けって。芝居の練習しよう」食料品屋の朝川玄一郎(でんでん)。「だって、東京と大阪が50分だ!!50分!!な、美恵だってうれしいだろ」「わたしは・・・・」表情の曇る美恵の彼氏の?は、東京に行ったきり、戻って来ないのだ。「でも、ここに駅なんか出来る保証ないんだろ」「このあたりは、糸魚川静岡構造線の大断層帯が走っているし、難しいと思うよ」「リニアって、線路はあるのか?」間の抜けた質問をする一平。「リニアだから!!!」「村長はどうなんだ?」権三。「私は、みなさんのご意見をまとめさせていただいて」「リニア新幹線の開業は、2027年。みんないねえんじゃないの?芝居の練習すっぺ」一夫。「そうだ、まずは芝居の練習だ」と話を切り上げ、立ち上る善。
舞台上で練習をする村人たち。題目は、大鹿歌舞伎の「六千両後日文章 重忠館の段」源頼朝役の玄一郎、台詞に詰まる。畠山重忠役は権三。道柴役は女形の一平だ。主人公の悪七兵衛景清役の善に、満の三保谷四郎国俊が斬りかかる。しかし、どうも上手く息が合わない。芝居まで、あと5日しかないのだ。更に、満と権三は、リニアのことで喧嘩になり、満はもう辞めると言い出した。舞台から、貴子と治の姿が見える。「まずい!!何で来るんだ?!」と一平と一夫。18年ぶりに現れた妻の貴子と駆け落ち相手で、友達の治を見た善は絶句し、一度舞台の幕を閉じ、再び幕を開けてから、二人に声を掛ける
「何で?!」
善の家の前、「鹿牧場はどうした?」「お前たちが居なくなったから、断念したんだ」「俺が困った時に、相談に乗ってくれたお前がいなくなったから、困ったんだ。貴子と俺が喧嘩した時に仲裁するのは、お前だったし、俺とお前が喧嘩した時に、中に入るのは貴子だっただろ。だから、本当に困ったんだ。」
二人をよそに、家の玄関にスタスタと入っていく貴子。「?」「記憶がどんどんどん無くなっていくんだ」「えっ?」「俺のことも、善と間違えている。どうしようもない。だから返しに来たんだ」「だから返しに来たって?!」治を殴る善。「いてえなあ」
原田芳雄の遺作という看板は余計だ。役者も揃って、このところ残念な感じの作品も多かった阪本順治監督も面目躍如、じゃなかった名誉挽回。笑えて、少し泣けるいい映画。こういう90分の尺の丁度いい、普通の映画が少なくなった。
宮崎吾朗監督『コクリコ坂から(13)』
朝目をさます少女、松崎海。身支度をして、階段を降りて、台所、お釜のお米の水加減を確認して、マッチでガスに火をつける。コップに水を汲み、写真立ての前のコッブと取り替え、花瓶の花を直す。
庭に出て、信号旗を揚げる。台所に戻り、フライパンでハムエッグを作りながら、キャベツの千切りを作る海。
「広小路さん」
スタジオ・ジブリのブランド力で、劇場は入っているけれど・・・。うーん。もう一つだなあ。日活の青春映画を時代考証の参考にしたらしいけれど、もっと本数見てほしかったなあ。
デイビッド・イェーツ監督 『ハリーポッター死の秘宝PART2【3D】(14)』
3Dらしく奥行きあったのは途中まで(苦笑)。PART1と2を分けて公開したのは、制作日程の問題だったのかあと思う。何だか物足りない。ハリポッターだけは観てきたけれど、これで完結というのは・・・。
2011年7月10日日曜日
各所にご迷惑を掛けている言い訳。
ずっと住んだ部屋の更新を期に引っ越しを決めた。平成5年入居ということだから、18年だったのか。2週間前の引っ越しは困難を極めたが、友人や学生の手伝いのお陰で、昨日、最後の粗大ごみ回収とブラウン管テレビの回収で終わった。しかし、前の部屋から徒歩3分の新居には100を超える段ボールの山のままだ。隣近所のご挨拶にも伺えていない。更に、18年選手の洗濯機の給水ホースが、どうやっても激しく水漏れして、洗濯も出来ない。昨夜、近所の銭湯に洗濯を兼ねて出掛けると、改装中で、8月まで銭湯も入れないことが判明した。
元の会社の1年後輩が3年の闘病の末、7月2日に亡くなった。会社や友人にも一部の人間にしか病気のことを伝えず、最後まで出社して仕事を続けていたのが、彼らしい。出社が辛くなったとメールを貰い、病院に何度か見舞いに行ったが、仕事や会社の休みのことを気にしていて、亡くなった日に、自宅にお邪魔したら、前日も仕事の問合せのメールを息子に打たせていたと聞いて言葉が詰まった。通夜、告別式は7日、8日だったが、7日の夜遅くにしか参列来なかった。5月下旬から元の会社からイベントホールの立上げを業務委託を受けていて、プレオープンが7月7日、8日という2日間だったからだ。この仕事を受けた時に、一番喜んでくれた一人が彼だったから、仕事をきちんとすることが供養だと思いながら、通夜・告別式に、随分沢山の弔問客が来たと聞いて、一緒に彼のことを話したかった。今日、少し涼しくなったら、荻窪の彼の家に、自転車で行って、お線香を上げて来よう。
元の会社の1年後輩が3年の闘病の末、7月2日に亡くなった。会社や友人にも一部の人間にしか病気のことを伝えず、最後まで出社して仕事を続けていたのが、彼らしい。出社が辛くなったとメールを貰い、病院に何度か見舞いに行ったが、仕事や会社の休みのことを気にしていて、亡くなった日に、自宅にお邪魔したら、前日も仕事の問合せのメールを息子に打たせていたと聞いて言葉が詰まった。通夜、告別式は7日、8日だったが、7日の夜遅くにしか参列来なかった。5月下旬から元の会社からイベントホールの立上げを業務委託を受けていて、プレオープンが7月7日、8日という2日間だったからだ。この仕事を受けた時に、一番喜んでくれた一人が彼だったから、仕事をきちんとすることが供養だと思いながら、通夜・告別式に、随分沢山の弔問客が来たと聞いて、一緒に彼のことを話したかった。今日、少し涼しくなったら、荻窪の彼の家に、自転車で行って、お線香を上げて来よう。
2011年3月18日金曜日
facebookから
明日は計画停電回避か。明日は暖かいからなのか、企業が休みだからなのか。しかし、何だか各家庭での節電はあまり大きな影響がないということなのか?この後に及んで、東電の各事業所が休みだからということはないよな。福島の原発では、必死の作業が続いているわけだし。
万が一、この3連休計画停電が回避されるのであれば、発電量は夏場のピークへの余裕はないにせよ、原発の有無が、現代の快適な生活か敗戦後の困窮生活かという二者択一の議論ではないような気もする。保温便座付きウォシュレットトイレや、オール電化の生活は捨てなければならないかもしれない。ウォシュレットが無くなると、日本人の脆弱化した肛門はしばらく厳しいだろうな。
しかし、エアコンや冷蔵庫、TVなど家庭での省電力化は、皮肉にもこの数年のエコポイントでかなり進んだことだし、企業も生産拠点のかなりを海外に移している。国内産業の空洞化で下がった産業界での電力需要を補うための、家庭でのオール電化。そう思うと、あの大量の広告出稿も頷ける。ガスパッチョにも頑張って貰って、電力一本被りを転換することはできないだろうか。
それこそ、日本のマスメディアが恐れているタブーかもしれない。(23:00)
夕方近所のスーパーに行くと、生鮮食料品以外、棚がカラ。生鮮食料品買えよ!!という感じ。牛乳と豆腐と納豆が本当に無い。だったら"豆乳”の方が長持ちもするしいいのになあ。でも、こんなに物がないスーパーを見ていると、母親たちの世代は、自分の息子や娘の家庭も困っているだろうと、あるだけ買ってしまうだろう。単純に自分の家に溜めこむだけじゃないと思い始めた。全ては、スーパーなどの物不足を煽りたてるメディアが元凶じゃないだろうか。近所にあるおばあさんがやっている豆腐屋に行ったら、何でもなく普通に豆腐が買える。そういうことなんだなあ。(20:40)
菅さん!!長くてくどい!!何を言いたいんだ!!具体的な一言と大丈夫と、目を見て言ってくれ!!会見場にいる記者クラブの人じゃなくて、テレビの前の国民だ!!テレビ中継途中でCMに(涙)。俺も喋りが回りくどくて、分かりにくいと、学生にいつも言われているのだ・・・。(20:30)
どうでもいいけど、警視庁武蔵野署から処分保留で出て来た。これって刑務所じゃないから出所でもないし、保釈でもなくて、起訴できなかったということだ。海老蔵といい日本のメディアは視聴率と発行数が稼げるうちは褒めるか吊るしあげるかして直ぐに忘れる。しかし大手事務所や大クライアントはタブーだ。まあ小向の場合は、あれだけ大騒ぎする必要は全くなかったということだ。 小向美奈子が出所 21日ぶりに (20:00)
ああ、NTVで「ダイナミックプロ野球!25日開幕です」というSPOT入ってしまった。原監督たちのせいじゃないんだけど・・・。(19:40)
午前中、外苑前スタバで打合せの後、粥屋喜々に行く。客誰もいなく暇で暇でと言っていたが、私の後立て続けにお客さんが入り、俺のお蔭だと、胸をはるが、店主の後輩は全く有り難みを感じていないようだ。昔から失敬な奴だ(苦笑)(18:45)
しかし、その後輩が言った言葉「mさんのウチは何年か前の集中豪雨で床上浸水して、床にあったもの全て駄目になった。今度は高いところに置いておいたものが落ちただろうから、真ん中に置くしかないんです」確かに羹に懲りて鱠を吹くとはよく言ったものだ。
知恵があるものは知恵を!体力のあるものは力を!金があるものは金を!何もないヤツは元気を出せ!!松山千春だったかな?よし、俺は元気を出す!!(9:30)
切通理作さんのtwitterで、radikoでは、音楽を除外して配信していると言う。せっかくjasracが被災地の使用料未徴収を決めたのだから、音楽を流せ!!(9:10)
どう考えても、セリーグ開幕強行は納得いかない。それも東京ドーム。戦後復興のシンボルとして、夢よもう一度であれば、せめて関東での開催は、屋外球場でデーゲームでやり、チャリティをやれ。(8:45)
万が一、この3連休計画停電が回避されるのであれば、発電量は夏場のピークへの余裕はないにせよ、原発の有無が、現代の快適な生活か敗戦後の困窮生活かという二者択一の議論ではないような気もする。保温便座付きウォシュレットトイレや、オール電化の生活は捨てなければならないかもしれない。ウォシュレットが無くなると、日本人の脆弱化した肛門はしばらく厳しいだろうな。
しかし、エアコンや冷蔵庫、TVなど家庭での省電力化は、皮肉にもこの数年のエコポイントでかなり進んだことだし、企業も生産拠点のかなりを海外に移している。国内産業の空洞化で下がった産業界での電力需要を補うための、家庭でのオール電化。そう思うと、あの大量の広告出稿も頷ける。ガスパッチョにも頑張って貰って、電力一本被りを転換することはできないだろうか。
それこそ、日本のマスメディアが恐れているタブーかもしれない。(23:00)
夕方近所のスーパーに行くと、生鮮食料品以外、棚がカラ。生鮮食料品買えよ!!という感じ。牛乳と豆腐と納豆が本当に無い。だったら"豆乳”の方が長持ちもするしいいのになあ。でも、こんなに物がないスーパーを見ていると、母親たちの世代は、自分の息子や娘の家庭も困っているだろうと、あるだけ買ってしまうだろう。単純に自分の家に溜めこむだけじゃないと思い始めた。全ては、スーパーなどの物不足を煽りたてるメディアが元凶じゃないだろうか。近所にあるおばあさんがやっている豆腐屋に行ったら、何でもなく普通に豆腐が買える。そういうことなんだなあ。(20:40)
菅さん!!長くてくどい!!何を言いたいんだ!!具体的な一言と大丈夫と、目を見て言ってくれ!!会見場にいる記者クラブの人じゃなくて、テレビの前の国民だ!!テレビ中継途中でCMに(涙)。俺も喋りが回りくどくて、分かりにくいと、学生にいつも言われているのだ・・・。(20:30)
どうでもいいけど、警視庁武蔵野署から処分保留で出て来た。これって刑務所じゃないから出所でもないし、保釈でもなくて、起訴できなかったということだ。海老蔵といい日本のメディアは視聴率と発行数が稼げるうちは褒めるか吊るしあげるかして直ぐに忘れる。しかし大手事務所や大クライアントはタブーだ。まあ小向の場合は、あれだけ大騒ぎする必要は全くなかったということだ。 小向美奈子が出所 21日ぶりに (20:00)
ああ、NTVで「ダイナミックプロ野球!25日開幕です」というSPOT入ってしまった。原監督たちのせいじゃないんだけど・・・。(19:40)
午前中、外苑前スタバで打合せの後、粥屋喜々に行く。客誰もいなく暇で暇でと言っていたが、私の後立て続けにお客さんが入り、俺のお蔭だと、胸をはるが、店主の後輩は全く有り難みを感じていないようだ。昔から失敬な奴だ(苦笑)(18:45)
しかし、その後輩が言った言葉「mさんのウチは何年か前の集中豪雨で床上浸水して、床にあったもの全て駄目になった。今度は高いところに置いておいたものが落ちただろうから、真ん中に置くしかないんです」確かに羹に懲りて鱠を吹くとはよく言ったものだ。
知恵があるものは知恵を!体力のあるものは力を!金があるものは金を!何もないヤツは元気を出せ!!松山千春だったかな?よし、俺は元気を出す!!(9:30)
切通理作さんのtwitterで、radikoでは、音楽を除外して配信していると言う。せっかくjasracが被災地の使用料未徴収を決めたのだから、音楽を流せ!!(9:10)
どう考えても、セリーグ開幕強行は納得いかない。それも東京ドーム。戦後復興のシンボルとして、夢よもう一度であれば、せめて関東での開催は、屋外球場でデーゲームでやり、チャリティをやれ。(8:45)
2011年3月9日水曜日
今日は日本の悪魔を見た。
朝イチで、大手町のクリニック。糖尿病の経過観察。数値は体重と肝臓系以外は改善。
テアトル新宿で、ようやく、園子温監督『冷たい熱帯魚(8)』
スーパーマーケットで、冷凍食品やカップ味噌汁などを乱雑に籠に放り込む女(神楽坂恵)。帰宅し電子レンジに放り込み、スイッチを押す。カップ味噌汁をお椀に移す。女の名は社本妙子。夫の信行(吹越充)、娘の美津子(梶原ひかり)と3人で、食卓を囲む。会話のない夕食。漫画雑誌を見ている美津子。美津子の携帯が鳴る。「オレオレ」「あー」「もう店の前にいるよ」「じゃあ直ぐ行くね!!」美津子、店を通って外に出る。前には、悪趣味にペイントされたムスタング。
妙子乱雑に、食洗機に食器を突っ込みスイッチを押す。ダイニングの隣の和室のラブチエアに並んで腰を下ろしテレビの安っぽいメロドラマを見る夫婦。
信行、妙子に手を伸ばし、抱き寄せようとするかが、拒まれる。「あの子がいつ帰って来るかわからないから」妙子、店の前で、寒そうにタバコを吸う、激しく雨が降っている。店の看板は社本熱帯魚店とある。信行、電話が鳴っていることに気がつき妙子を呼ぶが外にいる妙子には届かない。
魂が揺さぶられると絶賛され大ヒット中、今年の邦画で一番期待が大きかった映画。ただ、40年近くエログロナンセンスの映画を見続けてきた私は心がねじ曲がって汚れてしまっているのか、「身じろぎも出来ない」「あまりのエグさに退場者続出」という感想は全くない。しかし、それ「冷たい熱帯魚」を評価しないのではなく、昨年の「告白」「悪人」よりピカレスク映画として、かなり面白かった。「悪魔を見た」とどっちが好き?と聞かれると少し迷う。あとは、ラースフォントリアの「アンチクライスト」だな(苦笑)
青山一丁目のレコ ード会社で打合せ、好反応。
京橋フィルムセンターで、よみがえる日本映画。
56年東映京都内田吐夢監督『逆襲獄門砦(9)』
雪山猟師の親子が歩いていると、雪を掘り返している猪を見つけた。息子の二郎(植木基晴)に音を立てぬよう合図をして、照造(片岡千恵蔵)は、弓を引く。銃声がしたが、矢を二本射って、猪は倒れた。二郎が駆け寄ると、叱責する侍の声がする「こら!!何をする!!猪を仕留めたのは手前だもだ!」「違うやい!とうちゃんだい!」「こちらにおわするのは、この度天領の代官に着任された公儀の脇群太夫さまだ」伴侍は威圧的に凄んだ。案内の猟師2人は、猪を改め、弾が当たっていないことを告げたが、代官の機嫌を考えて「照どん、手柄を譲るんじゃ」「それがええ」と照造を説得しようとした。「待て!!下賤から施しを受ける群太夫ではないわ」と脇群太夫(月形龍之介)は切り捨てた。
猪を背負った照造と二郎が山を降りてくると、和平次(高堂国典)おとき(松浦築枝)夫婦が畑仕事をしていた。「あっ!じいちゃんだ!!じいちゃ~ん」「わっはっは二郎」「じいちゃん、でっかい猪とったぜ!」照造「じい、寒いのに精が出るな」「お前こそ。今年は何頭仕留めた?」二郎指を折りながら「1頭、2頭、3頭・・・4頭、5頭・・・・6頭だ!!!」「なあ二郎、とうちゃんに何を買ってもらうだ?」「米に・・・、味噌に・・・鷹の矢羽根をこうて貰う!!」「照どんよかったな」その時あぜ道を馬が駆けてくる。馬に乗っているのは、平田辰馬(伊藤久哉)だ。実家の神社に着くと、父親の神官平田信胤(水野浩)に声を掛ける「父上!!いよいよ薩長に倒幕の勅命が思し召しとなりました」「そうか、早く姫にお伝えするのじゃ・・・。お姫さま!!辰馬が戻りましてございます」美鈴姫(高千穂ひづる)「入るがよい」平田鶴乃(八汐路恵子)「辰馬!お姫さまが先ほどからお待ちじゃぞ」「薩長に倒幕の勅命が思し召しとなりました」美鈴姫「中納言様よりの密書を、父上大殿にお伝えするのじゃ」「姫には、さっそくお帰りあそばされたく思いまする」
天領地に隣する江州野沢藩城中、藩主野沢右亮介(清川荘司)「あい分かった!倒幕に賛同する書面を、姫が直々に持って行こうというのじゃな」「父上!!美鈴、京に行って参りますわ。辰馬、一緒に行っておくれ!」「はっ!!命に換えましても」
天領の街道を、「幕府御用」の旗を下げた長い行列がる。照造と二郎たちは、小休止している一団の中にいる。「おとう!!こんな沢山の荷物、どこへ持って行くんだ?」「京に持て行くっちゅうだ」しゅっぱ~つ!!と声が掛り、大きな荷を背負い立ち上がる照造。
その時五騎の馬がすれ違い、代官所へ向かった。脇群太夫たちである。代官所につくと、門前に多くの侍が土下座をしている。草鞋を脱がせた群太夫に前任者大場主膳(河部五郎)が「では、引き継ぎを」群太夫「いや、引き継ぎは無用!さっそく大倉に案内してもらおう」蔵の中に山のように積まれた米俵。「ざっと五百俵はあるな」「いや・・これは飢饉などの折に、領民に配る蓄えでして・・・」「いや無用!!全て京に送るぞ」世はまさに、勤皇、佐幕の対立激化する幕末の動乱期。京二条城には徳川慶喜が上洛し、薩長連合軍と一色即発の事態にいたっていた。
大庄屋平田辰右衛門(薄田研二)ふく(毛利菊枝)芹沢采女(有馬宏治)殿村雄之進(加賀邦男)瀬川三郎兵衛(吉田義夫)内藤新助(楠本健二)乾文五郎(加藤嘉)板倉帯刀(市川小太夫)久兵衛(梅沢昇)善助(村田宏二)甚兵衛(高松錦之助)おゆき(戸田春子)彌七(片岡栄二郎)仙吉(江原真二郎)仁平(玉島愛造)五郎作(沢田清)しづ(赤木春恵)平作(葉山富之輔)坂本(百々木直)勘兵衛(山口勇)市兵衛(尾上華丈)
スイス独立の英雄ウイリアムテルの翻案。『当時ハプスブルク家は、神聖ローマ皇帝アドルフの時代に強い自治権を獲得していたウーリの支配を強めようとしていた。ヘルマン・ゲスラー(ウーリのアルトドルフにやってきたオーストリア人の代官)は、その中央広場にポールを立てて自身の帽子を掛け、その前を通る者は帽子に頭を下げてお辞儀するように強制した』の帽子の代りに、代官が上様より拝領された“陣笠”、息子の頭の上の林檎の代りに蜜柑。終盤、領民たちが立ち上がり、代官を追い詰める一揆のモブシーンは圧巻。凄いなあ。当時の日本映画の凄さを思い知らされる。また月形龍之介が悪代官を演じているので、類型的ではなく、能吏で尊大な大物感が出ている。やはり内田吐夢だな・・・。
東銀座で、無門塾。ずいぶん久しぶりの参加。リーダーをしている高校同期のIが来週から福岡に転勤してEVを作るから送別会がわりに来いと呼ばれたのだ。確か、我々の同期に自動車メーカーのエンジニアが何人もいた筈なので、放送機器やデジタルサイネージをやっていた人間がこれから車のベンチャーの役員をやる時代なのだと、確か「社長島耕作」で読んだ話しを思い出す。
とはいえ、今日の講師はまったく関係なく、不登校、高校中退者を支援するフリースクールの「学力会」を運営している杉浦孝宣さん。現在日本国内で不登校(小中学校)12万人以上、高校中退者が6万人以上、また高卒就職後1年以内での離職率が70%というショッキングな話しを次々聞く。小学生にさえ生きにくい世の中なんだなあ。
テアトル新宿で、ようやく、園子温監督『冷たい熱帯魚(8)』
スーパーマーケットで、冷凍食品やカップ味噌汁などを乱雑に籠に放り込む女(神楽坂恵)。帰宅し電子レンジに放り込み、スイッチを押す。カップ味噌汁をお椀に移す。女の名は社本妙子。夫の信行(吹越充)、娘の美津子(梶原ひかり)と3人で、食卓を囲む。会話のない夕食。漫画雑誌を見ている美津子。美津子の携帯が鳴る。「オレオレ」「あー」「もう店の前にいるよ」「じゃあ直ぐ行くね!!」美津子、店を通って外に出る。前には、悪趣味にペイントされたムスタング。
妙子乱雑に、食洗機に食器を突っ込みスイッチを押す。ダイニングの隣の和室のラブチエアに並んで腰を下ろしテレビの安っぽいメロドラマを見る夫婦。
信行、妙子に手を伸ばし、抱き寄せようとするかが、拒まれる。「あの子がいつ帰って来るかわからないから」妙子、店の前で、寒そうにタバコを吸う、激しく雨が降っている。店の看板は社本熱帯魚店とある。信行、電話が鳴っていることに気がつき妙子を呼ぶが外にいる妙子には届かない。
魂が揺さぶられると絶賛され大ヒット中、今年の邦画で一番期待が大きかった映画。ただ、40年近くエログロナンセンスの映画を見続けてきた私は心がねじ曲がって汚れてしまっているのか、「身じろぎも出来ない」「あまりのエグさに退場者続出」という感想は全くない。しかし、それ「冷たい熱帯魚」を評価しないのではなく、昨年の「告白」「悪人」よりピカレスク映画として、かなり面白かった。「悪魔を見た」とどっちが好き?と聞かれると少し迷う。あとは、ラースフォントリアの「アンチクライスト」だな(苦笑)
青山一丁目のレコ ード会社で打合せ、好反応。
京橋フィルムセンターで、よみがえる日本映画。
56年東映京都内田吐夢監督『逆襲獄門砦(9)』
雪山猟師の親子が歩いていると、雪を掘り返している猪を見つけた。息子の二郎(植木基晴)に音を立てぬよう合図をして、照造(片岡千恵蔵)は、弓を引く。銃声がしたが、矢を二本射って、猪は倒れた。二郎が駆け寄ると、叱責する侍の声がする「こら!!何をする!!猪を仕留めたのは手前だもだ!」「違うやい!とうちゃんだい!」「こちらにおわするのは、この度天領の代官に着任された公儀の脇群太夫さまだ」伴侍は威圧的に凄んだ。案内の猟師2人は、猪を改め、弾が当たっていないことを告げたが、代官の機嫌を考えて「照どん、手柄を譲るんじゃ」「それがええ」と照造を説得しようとした。「待て!!下賤から施しを受ける群太夫ではないわ」と脇群太夫(月形龍之介)は切り捨てた。
猪を背負った照造と二郎が山を降りてくると、和平次(高堂国典)おとき(松浦築枝)夫婦が畑仕事をしていた。「あっ!じいちゃんだ!!じいちゃ~ん」「わっはっは二郎」「じいちゃん、でっかい猪とったぜ!」照造「じい、寒いのに精が出るな」「お前こそ。今年は何頭仕留めた?」二郎指を折りながら「1頭、2頭、3頭・・・4頭、5頭・・・・6頭だ!!!」「なあ二郎、とうちゃんに何を買ってもらうだ?」「米に・・・、味噌に・・・鷹の矢羽根をこうて貰う!!」「照どんよかったな」その時あぜ道を馬が駆けてくる。馬に乗っているのは、平田辰馬(伊藤久哉)だ。実家の神社に着くと、父親の神官平田信胤(水野浩)に声を掛ける「父上!!いよいよ薩長に倒幕の勅命が思し召しとなりました」「そうか、早く姫にお伝えするのじゃ・・・。お姫さま!!辰馬が戻りましてございます」美鈴姫(高千穂ひづる)「入るがよい」平田鶴乃(八汐路恵子)「辰馬!お姫さまが先ほどからお待ちじゃぞ」「薩長に倒幕の勅命が思し召しとなりました」美鈴姫「中納言様よりの密書を、父上大殿にお伝えするのじゃ」「姫には、さっそくお帰りあそばされたく思いまする」
天領地に隣する江州野沢藩城中、藩主野沢右亮介(清川荘司)「あい分かった!倒幕に賛同する書面を、姫が直々に持って行こうというのじゃな」「父上!!美鈴、京に行って参りますわ。辰馬、一緒に行っておくれ!」「はっ!!命に換えましても」
天領の街道を、「幕府御用」の旗を下げた長い行列がる。照造と二郎たちは、小休止している一団の中にいる。「おとう!!こんな沢山の荷物、どこへ持って行くんだ?」「京に持て行くっちゅうだ」しゅっぱ~つ!!と声が掛り、大きな荷を背負い立ち上がる照造。
その時五騎の馬がすれ違い、代官所へ向かった。脇群太夫たちである。代官所につくと、門前に多くの侍が土下座をしている。草鞋を脱がせた群太夫に前任者大場主膳(河部五郎)が「では、引き継ぎを」群太夫「いや、引き継ぎは無用!さっそく大倉に案内してもらおう」蔵の中に山のように積まれた米俵。「ざっと五百俵はあるな」「いや・・これは飢饉などの折に、領民に配る蓄えでして・・・」「いや無用!!全て京に送るぞ」世はまさに、勤皇、佐幕の対立激化する幕末の動乱期。京二条城には徳川慶喜が上洛し、薩長連合軍と一色即発の事態にいたっていた。
大庄屋平田辰右衛門(薄田研二)ふく(毛利菊枝)芹沢采女(有馬宏治)殿村雄之進(加賀邦男)瀬川三郎兵衛(吉田義夫)内藤新助(楠本健二)乾文五郎(加藤嘉)板倉帯刀(市川小太夫)久兵衛(梅沢昇)善助(村田宏二)甚兵衛(高松錦之助)おゆき(戸田春子)彌七(片岡栄二郎)仙吉(江原真二郎)仁平(玉島愛造)五郎作(沢田清)しづ(赤木春恵)平作(葉山富之輔)坂本(百々木直)勘兵衛(山口勇)市兵衛(尾上華丈)
スイス独立の英雄ウイリアムテルの翻案。『当時ハプスブルク家は、神聖ローマ皇帝アドルフの時代に強い自治権を獲得していたウーリの支配を強めようとしていた。ヘルマン・ゲスラー(ウーリのアルトドルフにやってきたオーストリア人の代官)は、その中央広場にポールを立てて自身の帽子を掛け、その前を通る者は帽子に頭を下げてお辞儀するように強制した』の帽子の代りに、代官が上様より拝領された“陣笠”、息子の頭の上の林檎の代りに蜜柑。終盤、領民たちが立ち上がり、代官を追い詰める一揆のモブシーンは圧巻。凄いなあ。当時の日本映画の凄さを思い知らされる。また月形龍之介が悪代官を演じているので、類型的ではなく、能吏で尊大な大物感が出ている。やはり内田吐夢だな・・・。
東銀座で、無門塾。ずいぶん久しぶりの参加。リーダーをしている高校同期のIが来週から福岡に転勤してEVを作るから送別会がわりに来いと呼ばれたのだ。確か、我々の同期に自動車メーカーのエンジニアが何人もいた筈なので、放送機器やデジタルサイネージをやっていた人間がこれから車のベンチャーの役員をやる時代なのだと、確か「社長島耕作」で読んだ話しを思い出す。
とはいえ、今日の講師はまったく関係なく、不登校、高校中退者を支援するフリースクールの「学力会」を運営している杉浦孝宣さん。現在日本国内で不登校(小中学校)12万人以上、高校中退者が6万人以上、また高卒就職後1年以内での離職率が70%というショッキングな話しを次々聞く。小学生にさえ生きにくい世の中なんだなあ。
2011年3月6日日曜日
2011年3月5日土曜日
久し振りのフィルムセンター。
朝イチで、N 氏と元の会社。N 氏が売買契約書を交わすのに立ち会い、
京橋フィルムセンターで、よみがえる日本映画。
46年大映京都森一生監督『槍おどり五十三次(6)』
よいとまけ(重い棒を引っ張り、土を固めている)をする男たち。権三(市川右太衛門)が歌い、それに合わせ、皆が綱を引いている。権三は抜けて、柄杓で水を汲み、ごくごくと飲んでいると、口入屋井筒屋の番頭が走って来て「おい!!助十!!権三はいねえか?」。大店の娘の嫁入りの先ぶれで、槍の依頼だ。権三と助十(羅門光三郎)は、駆け出し、奴さんの格好に着替え、花嫁行列の先ぶれを追い払い、入れ替わった。
野次馬たちが盛り上がり、権三に喝采を送る。「成駒屋!!」「日本一!!」娘たちからも黄色い声がかかる「権ちゃ~ん!!」「権三さ~ん!!」ちょうど湯屋から出て来た粋筋の女たちも「あら、権ちゃんだわ!!」と駆けよって、「ちょいと~!!」玉簪を投げる女や、櫛を投げる女もいる。「女殺し~!!!」「後家殺し~!!!」
内職の団扇を下げた千鶴(喜多川千鶴)が、人混みから顔を出し、眩しそうに権三を見つめると、権三も気がついて、一層張り切って槍を振った。
槍の権三(市川右太衛門)助十(羅門光三郎)亀公(上田寛)三吉(島田照夫)竹松(三浦志郎)安長(月形龍之介)井筒屋伝兵衛 (村田宏寿)お弓(江原良子)お米(香住佐代子)伊志井寛 原聖四郎
神保町シアターで、文豪と女優とエロスの風景。
67年今井正監督『砂糖菓子が壊れるとき(7)』
「PHOTO STUDIO」と描かれたドアの前で、少しためらう千坂京子(若尾文子)。決心して、ドアをノックすると、カメラマンの吾妻(根上淳)が顔を覗かせ、京子を招きいれた。「気が変わったのかい?」「今何時?」「三時半頃かな」「電話貸して・・・」「そこだ」吾妻が石油ストーブに火を付ける。京子、電話を掛ける。「栗原監督のお宅ですか?夜分遅く申し訳ありませんが、私、千坂京子ともうしますが、先生いらしゃいますか?・・・私、今お金に困っているの、今しようとしている仕事のことで、先生に伺いたかったんです・・・。明日ですか?・・はあ・・・」受話器を置く京子。
吾妻の妻(田中三津子)が「京ちゃん、スープ飲む?」「ええ・・・」吾妻「なあ、京ちゃん、金に困っているんだろう。そんな毛皮売っちまえよ」吾妻の妻スープを持ってきて脱衣籠を示し「京ちゃん、ここに脱いで・・・」「いいの、これしか着ていないの」ミンクのコートを脱ぐと、一糸まとわぬ姿の京子、カメラの前に立つ。
吾妻の車で帰宅すした京子。階段を登り、アパートの2階の自分の部屋のドアを開ける。中に入るなり、ハンドバックから白封筒を取り出し、中に入った紙幣を数えだす。一万円札が1枚と千円札が10枚弱入っている。電話を掛ける「浪花病院ですか?会計課をお願いします・・・。今井つねの娘です。催促していただいた入院費、今日お送りしましたわ」疲れた顔で、毛皮をはおったまま、ベッドに横になる京子。暗くなっている。眠ってしまったようだ。ドアがノックされ、起き上がり駆け寄る京子。「栗原さん?」「工藤プロのものです。社長から言付かりました」「今何時でしょう?」「20時です」「手紙を読んで下さい。そして社長が電話が欲しいと言っていました」ドアを閉め、工藤からの手紙を読む京子。
撮影所で木田監督を待ち続ける赤いワンピース姿の京子。退屈した京子が窓まで歩いて行く。その後ろ姿の色っぽさに、後ろの男(谷謙一)がじろじろ見ていたのに気がついた京子は赤面する。制作部の中から男(成瀬昌彦)が声を掛ける。「待ちぼうけだね」「木田先生は?」「今日は見ないなあ。工藤さんが呼んだんだろう。」そこに、出前持(三夏伸)がホットサンドを持ってくる。男は「君も昼飯抜きだろう。半分食べたまえ」遠慮する京子に、尚も勧める男。そこに工藤俊平(志村喬)が現れる。「木田さんは来なかったのか?今どうなってい?」「あと1ヶ月で新映と契約が切れます」「何で端役しか出来なかったんだと思う?」「多分、私に合うような、頭の悪い役が無かったんだと思います」「こちらは、石黒監督だ」サンドイッチを勧めてくれたのは監督の石黒だった。石黒は、1冊の脚本を差しだし「正月に島田髷を結う魚屋の女房の役がある。三輪トラックに乗るのに、髷が崩れるのを嫌がってショールを被るような女だ。この本を読んで、明後日もう1回来てくれ」撮影所をあとにし、「木田くんは現れず、石黒さんが仕事をくれたのは運命の引き合わせだ。工藤プロダクションに入りなさい」
2日後、石黒やスタッフの前に立つ京子。台詞をうまく喋れない。「あたし、ベッドの上に座って、髪をくしゃくしゃにして、タオルを被って台詞を覚えたんです。座って、もう一度やっていいですか」「やってみたまえ」椅子を借りて、髪のセットを崩して台詞を喋る京子。石黒に、作家の五来克己(田村高廣)を紹介される。「先生の小説は、○○も××も読んでいます・・・」
料亭で仲居に案内される京子。部屋に入ると、工藤が座っている。新聞を差しだし「あたしのことが載っているの」工藤の紹介で石黒監督の「櫛」に主演した京子は、話題になった。「本当にありがとうございました。これお礼のつもりです」京子が差し出した包みを開け「これが似合うほど、僕は若くないよ」とネクタイを取り出す工藤。口ぶりとは反対にまんざらでもなさそうだ。「いえ、とってもお似合いだと思いますわ。中央映画と契約できて、わたし本当に嬉しかったわ・・・。私、眼鏡を掛けている人が本当に好きなの・・。頭がよさそうで」
「僕は、映画の世界のことは何でも知っている。君を「櫛」の主役に出来るくらいの力は持っているつもりだ。悪いようにはしない。僕と結婚しなさい。僕は君が好きなんだ。こんな気持ちになったのは、初めてなんだ。君の素晴らしさを、世間は知らないし、世間は君が打算で、私と結婚したと噂するだろう。しかし、暫くの間、一緒に暮らしてくれるだけでいいんだ。今夜から、熱海の私の別荘に行こう」
翌朝、別荘から海を眺め、喜ぶ京子を幸せそうに眺める工藤。しかし、工藤はその直後倒れる。急性心筋梗塞だ。医者(伊東光一)と看護婦(天池仁美)が帰って行ったあと、工藤は秘書の川田(仲村隆)に結婚届けを持ってこさせた。「わたしには、1億円ほどの財産がある。しかし、それをあの親類の連中に渡したくはないのだ。このお金を君に残したいんだ」しかし、京子は、工藤への気持ちを遺産相続というかたちでは受けたくないと言う。そこに、会社からすぐ来るよう電話が入る。その緊急性を感じた工藤は、自分は死なずに待っているから行きなさいと言う。
東京に戻った京子を待っていたのは、各務常務(大山健二)小川プロデューサー(花布辰男)だった。無名時代の京子のヌードカレンダーを示し、記者会見でこれが他人のそら似だと否定するよう強要した。京子は工藤の熱海の別荘に電話をし、秘書の川田に工藤に意見を聞いてくれと頼む。しかし、瀕死の状態だった筈の工藤は電話口までやってきて、「正直に話しなさい。嘘は、君を更に苦しめることになる」と告げた。
京子は、沢山の取材陣を前に、各務と小川とともに座った。しかし、そこに工藤が他界したというメモが入り、泣き崩れる京子。焚かれる取材陣のフラッシュ。もみくちゃにされる京子に近寄り、「とにかくここを出よう」と車に乗せる男がいた。京子が我に返ると、車の助手席に座っており、運転しているサングラスの男(津川雅彦)は知らない男だった。男は、大東新聞芸能部記者奥村豊と名乗った。「少し人のいないところに、姿を隠した方がいい」といって、男は姉夫婦の別荘に連れて行く。
工藤の葬式に京子が現れる。棺にすがって、行かないで!!と泣き崩れる京子。数日後、撮影所に京子の姿がある。出番無しという所に、京子の名札がある。もう一人酒井春江という札が並んで掛っている。「あたし、あなたが辞めてくれたらと思うのよ」と話す春江と意気投合する京子。工藤の死後、奥村と春江が京子の支えとなった。
京子は自分が馬鹿な女の役ばかり来ることが自分の学歴のせいだと、コンプレックスになっていることに、女子大にでも通ったらどうだと言う。マネージャーになっていた春江に、工藤から貰った100万円があるから進学すると言う。京子は一生懸命勉強をする。しかし、他の女子大生たちの中で、京子の姿は目立った。必死に勉強する姿に、天木教授(船越英二)は優しい眼差しをくれた。しかし結局、ある日天木教授は、食事に誘い、その個室で京子を抱くのだった。尊敬していた天木も京子の体だけを見ていたことに傷心の京子。
そんな京子に、奥村と春江は仕事を勧め、新星映画で再スタートを切ることになった。「顔より足」の完成披露パーティ。
酒井春江(原知佐子)東京バナリースのホームラン打者土岐久夫(藤巻潤)五来夫人(山岡久乃)
撮影所の男佐藤(武江義雄)青年(飛田喜佐夫)フロント係(森矢雄二)ホテルのボーイ(篠田三郎)フロント係(佐原新治)小唄の師匠(角梨枝子)
モンローのような女が嫌いなのは、原作の曽野綾子なのか脚本の橋田壽賀子なのか監督の今井正なのか・・・。モンローの人生をケネディ以外そのままなぞったストーリー、96分に纏めたので、かなり薄っぺらに。もったいないなあ。
渋谷で、元の部下2人と飲む。調子にのって飲み過ぎる。
2011年3月3日木曜日
横尾忠則さんのレコードジャケット問題勃発。
twitterで横尾忠則さんが、かって自分が関わったLPが無断でCD化され、連絡もなければ、実物を送っても来ないと怒っている。横尾さんが関わったジャケットは相当数あるだろう。
レコード会社はジャケットデザインは一時金で解決、ジャケットに関しては自分たちに著作権があると考えているだろう。ただ、この場合の著作権は財産権としての著作権で、著作人格権は別である。
ミュージシャンも、自分たちに全く連絡もなくCD化され、出来あがったものを送っても来ないと怒ったり、嘆いたりの話しは多かった。知らない間に、コンピアルバムに入れられいるのは、数え切れない。
音源に関しては、道義的な問題はともかくも、百歩譲って原盤権はレコード会社にあるんだし、一度公表されたものなので法律上の問題はないとしても、アートワークはかなり微妙ではないだろうか?(最近よくある、アウトテイクなどの未発表音源のボーナストラックは微妙な気がする)
LPのジャケットをCDにする時点で、リデザインが必要で、サイズを小さくするだけならともかく、横尾さんのジャケットは凝った作りのものが多く、同一性保持とは言えないのではないのだろうか。
今のレコード会社には、当時の担当者など残っていないだろうし、著作人格権不行使の契約書が残っているならともかく、口約束で済ませるドンブリ勘定の業界慣習、レコード協会は、早く頭を下げて和解したほうが傷も浅いと思うが・・・。
パッケージがこれだけ売れなくなった今、自分たちの財産は今までの膨大なアーカイブやジャケットなどのアートワークだ。声高に自分たちの権利を叫ぶだけではなく、クリエーターへのリスペクトと彼らの著作権は絶対忘れないで欲しいものだ。
レコード会社はジャケットデザインは一時金で解決、ジャケットに関しては自分たちに著作権があると考えているだろう。ただ、この場合の著作権は財産権としての著作権で、著作人格権は別である。
ミュージシャンも、自分たちに全く連絡もなくCD化され、出来あがったものを送っても来ないと怒ったり、嘆いたりの話しは多かった。知らない間に、コンピアルバムに入れられいるのは、数え切れない。
音源に関しては、道義的な問題はともかくも、百歩譲って原盤権はレコード会社にあるんだし、一度公表されたものなので法律上の問題はないとしても、アートワークはかなり微妙ではないだろうか?(最近よくある、アウトテイクなどの未発表音源のボーナストラックは微妙な気がする)
LPのジャケットをCDにする時点で、リデザインが必要で、サイズを小さくするだけならともかく、横尾さんのジャケットは凝った作りのものが多く、同一性保持とは言えないのではないのだろうか。
今のレコード会社には、当時の担当者など残っていないだろうし、著作人格権不行使の契約書が残っているならともかく、口約束で済ませるドンブリ勘定の業界慣習、レコード協会は、早く頭を下げて和解したほうが傷も浅いと思うが・・・。
パッケージがこれだけ売れなくなった今、自分たちの財産は今までの膨大なアーカイブやジャケットなどのアートワークだ。声高に自分たちの権利を叫ぶだけではなく、クリエーターへのリスペクトと彼らの著作権は絶対忘れないで欲しいものだ。
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